楽天は2013年6月6日、米国の物流会社Webgistixの全株式を取得し、完全子会社化することを発表した。米国で展開されているRakuten.com Shopping向けに総合フルフィルメントサービスを提供するとともに、Webgistixの保有するクラウドベースのフルフィルメント技術を日本でも活用していきたいとしている。
Webgistixは、EC事業者向けにクラウドベースのフルフィルメントサービスを提供する。同社が提供するフルフィルメントサービスにより、EC事業者は受注処理のスピードと正確性の向上が可能になるとともに、ロジスティクス関連の固定費を削減することができる。米国においては、1~2日以内での迅速な配達を提供しており、米国企業を中心に世界21か国のEC事業者向けにサービスを展開している。
一方楽天では、「楽天市場」の出店店舗向けに、物流・在庫管理・出荷などのロジスティクス分野における支援を強化するため、2010年に物流子会社である楽天物流を設立した。同社では、物流に関わるさまざまなソリューションを出店店舗に提供することで、物流におけるボトルネックを解消し、各出店者が販促活動に注力できる環境を整えている。2012年8月からは、出店店舗への商品在庫の入出荷、保管、梱包、配送、カスタマーサービス、各種付加価値サービスなどの総合フルフィルメントサービス「楽天スーパーロジスティクス」の 提供を開始した。
新サービスの提供に伴い、2011年には千葉県市川塩浜に初の物流拠点となる楽天フルフィルメントセンター(RFC)市川Ⅰを稼動させ、B2B2Cマーケットプレイスに最適な物流網を整備する取り組みを進めている。また、全国規模の人口カバー率7割の物流ネットワークを構築するため、5都市8拠点における各物流拠点の稼働準備にとりかかっているという。
海外においても、フランスの物流事業者Alpha Direct Services社を完全子会社化し、同社の最先端の技術を取り込むとともに、欧州における物流支援サービスの展開も始めている。
発表によれば、Webgistixの買収によって、楽天が米国で展開するECサイト「Rakuten.com Shopping」の出店店舗にも総合フルフィルメントサービス「楽天スーパーロジスティクス」を提供できるようになる。また、Webgistixの持つクラウドベースのフルフィルメントテクノロジーを、日本を含めた全世界でも活用していくことを検討しているとしている。