日本IBMは、エンタープライズ向けWebアプリケーションの実行環境を構築するソフトウェア製品の最新版となる「IBM WebSphere Application Server(以下、WAS) V8.5.5」を発表した。ライセンス利用料金は3,784円から(Expressエディションの1プロセッサー・バリュー・ユニットあたり)で、IBMならびにIBMパートナー経由で、6月14日より提供を開始する。
WAS V8.5.5で提供される「Liberty Profile」は、新たにJava EE 6のWebプロファイル(Webアプリケーションを開発するための基本仕様セット)へ準拠。アプリケーションの要件に応じて動的に機能を拡張することができ、さらにV8.5.5では、さまざまなソフトウェア同士が相互に連携するためのWebサービスやメッセージング機能を追加している。また、ユーザーが独自の機能を追加するためのインタフェースも提供しており、ランタイムのさらなる最適化を実現できる。
これまでは別製品として提供していた、分散オブジェクト・キャッシュ機能を実現するソフトウェア製品「IBM WebSphere eXtreme Scale」を、WAS V8.5.5に同梱。複数のメモリ間でアプリケーションのデータやビジネス・ロジックを動的に処理、分割、複製、管理する機能を提供し、大規模トランザクションの高速処理を実現する。また、障害が発生した際に、トランザクションの整合性を保ちながら自動的にサーバーの切り替えを行うことができる。
本製品は、利用環境や条件に応じたライセンス体系で提供され、仮想化環境やミッションクリティカル環境向けなどに特化した機能を追加した上位エディション群や、小規模構成向けに低コストで提供するExpressエディションが準備されている。また、V8.5.5より、軽量化された実行環境のみに特化したLiberty Core(リバティー・コア)エディションを新たに追加した。
さらに、無償ダウンロードで提供する、デスクトップ環境でWebアプリケーションを開発するためのランタイム「IBM WebSphere Application Server for Developers V8.5.5」と、開発ツール「WebSphere Application Server Developer Tools for Eclipse V8.5.5」については、WAS V8.5.5を実働環境で使用している顧客に対し、IBM窓口(パスポート・アドバンテージ・オンライン)でのサポートを新たに提供する。