エアハンドリングユニット「Uniflair LE Chilled Water」シリーズ

シュナイダーエレクトリックは6月5日、ファンや冷水流量の制御機能を搭載し、省エネルギー化を実現した冷水式空調機のエアハンドリングユニット「Uniflair LE Chilled Water」シリーズを発表した。代理店経由での販売で、3年間で10億円程度の販売目標を掲げる。

発表されたUniflair LE Chilled Waterシリーズは、電子整流ファンによるファンスピードの最適化制御、バルブ制御による冷水流量の調整機能などを持ち、同社によると従来のデータセンタ(DC)やサーバルーム向けの空調機と比較して電力使用量を最大で60~70%程度減らせる省エネ化を実現。コンパクトなデザインで省スペース化と保守性のアップも図られている。

実機展示の同シリーズ「TDCV1000」

このうち、電子整流ファン(ECファン)では、負荷に合わせてファンスピードを調整することでACモーターの従来型と比較して、平均で45%、最大負荷の状態でも15%の省エネ化となった上で、ファンの直結駆動で騒音や振動の軽減も実現している。

また、オプションで床下圧力センサーによるファンの制御も行える。これはフリーアクセスフロア下の風量圧力をセンサーで監視し、ファンの消費電力削減や、部屋の条件に合わせた動的対処や風量監視などを可能にするもの。

このほか、同シリーズには、内部冗長構成のための二系統受電や二重コイルのほか、熱ヒーターや電極式加湿器などがオプションとして用意されている。

同社 ビジネスデベロップメント 本部長の有本 一氏は、DCにおいて空調機器に多くの電力が使用されていることを踏まえた上で、DC空調のトレンドとして、高密度化に対応した局所空調や、全体空調においてもより効率化が求められていることを挙げた。今回発表された製品については、ファンやチラーに送る冷水流量の制御機能、省スペース化、DCIM(Data Center Infrastructure Management)による管理も可能な点といった特徴を挙げ、「次世代のエアハンドリングユニットと自負している」と述べた。

「Uniflair LE Chilled Water」によるエアフローイメージ

同シリーズは、冷却能力に応じて8モデルをラインナップする。なお、Uniflair社は1988年に設立されたイタリアの企業で、2010年にシュナイダーエレクトリックの傘下に加わっている。