日立製作所は、2011年3月に東京大学の生産技術研究所に導入した「モジュール型データセンタ」の「外気導入冷却システム」において、約2年間の安定稼働を実現し、2012年6月から2013年5月までの1年間(2012年6月~2013年5月)の平均のPUE値で1.18を記録したと発表した。
「外気導入冷却システム」は、気温が低い地域が有利とされているが、東京においても大幅な消費電力削減が実現できることを実証した。
PUEは、IT機器の消費電力量に対するデータセンター・サーバ室の総電力量の割合。PUE値が1に近づくほどエネルギー効率が高いことを表す。
「外気導入冷却システム」は、「モジュール型データセンタ」の冷却システムで、28度以下の外気を活用し、サーバやストレージなどのIT機器を含めたデータセンター設備全体を冷却するもの。
一般的には、冷涼な地域のデータセンター運用に採用されており、従来、東京では本格的には導入されていなかったが、国家プロジェクト「最先端研究開発支援プログラム」の採択を受けた、東大の「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川優 東大教授)が進められているデータセンターで採用され、2年間にわたって、運用を行ってきた。
外気のみでデータセンター内の温度および湿度の管理を最適化し、気温と湿度がともに高い夏季や湿度が低い冬季においても、最適なデータセンター環境を維持し、また、IT機器の消費電力に応じた送風量の制御を自動化することで、さらなる省電力化を実現したという。