デンソーは、車両の点検、整備作業などに使用するスキャンツールとパソコン用車両診断ソフト、そしてインターネット上のクラウドサーバーを連携させることで、車両の診断レポート発行、診断支援、カルテ管理などの機能を提供する新たな診断サービスソフト「DST-クラウド」を開発、2013年7月下旬から約700店あるデンソーサービスステーションなどを通じて発売する。
近年、車両に搭載される環境・安全を中心とする技術の多くは、高度な電子制御が行われ、そうした技術が搭載された車両のメンテナンスを的確に行うためには、整備技術も進化させることが求められている。デンソーはこうしたニーズを受け、2011年に、車両の定期点検、整備、部品交換に伴う作業などで使用する機能を搭載したスキャンツール「DST-i」の販売を開始、次いで、2012年に「DST-i」と連動し、さらに高度な診断機能を実現するパソコン用車両診断ソフト「DST-PC」を発売してきた。
今回、新たに開発した「DST-クラウド」では、「DST-i」と「DST-PC」で計測した車両の実測値と、インターネット上のクラウドサーバーでデータベース化してある測定基準値とを自動比較し、車両の診断レポートとして車両ユーザーに提示することができる。
また、クラウドサーバー上に、診断支援機能として車両ユーザーへの問診項目を多数用意し、症状に合った項目を自動的に表示することで、整備士が容易に問診作業を進められるようにした。さらに、問診結果から類似の診断事例を検索し、その内容を参照することによって診断作業の効率化を図る。
さらに、車両入庫時に取得した車両データをクラウドサーバー上で一元管理できるカルテ管理機能により、複数の帳票を管理する手間を軽減する。
デンソーは、車両に搭載される環境、安心・安全に関する技術を開発するとともに、そうした技術の進化に合わせたメンテナンスの分野における技術開発を継続していく。