2012年5月18日に行われたFacebookのIPOで発生したシステムトラブルなどについて調べていた米証券取引委員会(SEC)は5月29日(現地時間)、NASDAQ OMXに対し1000万ドルの制裁金支払いで和解したことを発表した。

FacebookのIPO当日、システムの技術的不具合から取引の処理開始が30分ほど遅れ、売り買いが混乱した。SECの調査はこれを受けたもの。

FacebookのIPOは歴史上でも最大規模といわれる投資家が参加したが、IPOの規模が大きいことが予測されていながらも、NASDAQのシステム設計では限界があり売り買いの注文を処理できなかったと、SECはNASDAQ側の準備不足を指摘している。また、不具合が発覚した後も、根本的な問題の原因を追求せずにコード数行を削除しただけで問題を修正したと判断して流通市場での取引を延期しなかったなど、意思決定上のミスも追求している。SECによると、2時間以上の間、3万件以上の発注が処理されずそのままになっていたという。

「取引所は、自分たちのシステム、プロセス、不測事態対応計画を通じて市場に支障を来すことなくIPOを適切に管理する義務がある」とSECは述べている。

SECによると、1000万ドルの罰金は取引証券所に科したものとしては過去最高額という。NASDAQはすでに、システム不具合の影響を受けた投資会社らに対し、合計で6200万ドルを支払うことにも合意している。