リコーは5月29日、生産ラインの検査向けに従来の同社カメラに比べ被写界深度を約3倍に拡大した「リコー被写界深度拡大カメラ」を開発したことを発表した。
同製品は、従来は複数のカメラを使用したり、カメラの位置を移動させて再度ピントを合わせて撮影する必要があったカメラからの距離が異なる複数の被写体の撮影の場合においても、1台でかつピントの再調整なしで撮影することが可能だ。
また、一般的なカメラでは絞りを絞ることにより被写界深度を拡大するので、画像が暗くなるという問題があったが、同製品では、専用レンズと画像処理ソフトウェア内蔵の専用カメラの活用により、明るさを維持したまま被写界深度を拡大した画像を入手することができ、これにより、強力な照明の使用を不要にすることができるとしている。
提供されるカメラは、撮像素子1/3インチCCD モノクロの「EV-G030B1」(画素数648×494、周囲15画素は無効)、1/1.8インチCCD モノクロの「EV-G200B1」(1624×1236、周囲15画素は無効)、1/1.8インチCCDカラーの「EV-G200C1」(1624×1236、周囲20画素は無効)の3製品で、これらと焦点距離やF値の違うレンズ8機種を組み合わせることで、用途に合わせた最適なカメラを構築することが可能になるという。
なお、同製品の価格はオープンで、2013年7月上旬の販売開始が予定されている。