Freescale Semiconductorは、産業市場や汎用市場向け新ソリューションの創出に向け、同社SoC「QorIQ Qonverge B4ファミリ」として固定小数点演算DSPコア「SC3900 StarCore」ベースの「B4420」と「B4860」に浮動小数点演算技術を追加することを発表した。

SC3900処理ユニットに、浮動小数点演算能力が追加されることで、高性能処理、セキュリティ、ネットワーク処理向けのアクセラレーション・エンジンなど、すでにQorIQ Qonvergeに統合されている先進技術を、浮動小数点演算能力が補完することが可能になると同社では説明する。

B4860は28nmプロセス技術を採用しており、最大14.4GHzのプログラマブルな処理性能を生み出し、4つのe6500デュアルスレッドPower Architectureプロセッサ・コアを統合することで、CoreMarkプロセッサ・ベンチマークスコアで61000を達成しているほか、6つの固定小数点/浮動小数点DSPコアは、230.4GMACSの固定小数点演算性能、115.2GFLOPSの浮動小数点演算性能を実現するという。また、e6500コアに組み込まれた4つのAltiVec SIMDエンジンと組み合わせることで、総計172.8GFLOPSのIEEER 754浮動小数点演算性能を達成することができるという。

さらに、浮動小数点演算能力が追加されても、既存のSC3900コアともバイナリ・コードの互換性を維持しているため、両SoC向けにすでに開発を進めているソフトウェアについても中断する必要はないという。

なお、浮動小数点演算技術をサポートするB4860/B4420 SoC限定サンプルとその評価ボードは、2013年第3四半期に出荷を開始する予定だという。