Integrated Device Technology(IDT)は、業界最小クラスの位相ノイズを達成したVCO(電圧制御発振器)とフラクショナル分周器を開発したと発表した。

新たに開発したVCO技術は、クロック発生器を次世代のレベルに導くものだと同社では説明しており、1kHz~61.44MHzの広い積分範囲に対するRMS(実効値)位相ジッタとして、50fs未満の値を達成している。位相ノイズを小さなレベルに抑えたことで、無線基地局や有線ネットワークなどで使われる高性能の通信機器において、最高品質のリファレンスクロックを生成することが可能になり、それにより、送信側の通信信号の品質が改善され、受信側の信号リカバリの性能が強化されることから、誤り率が低減され、データのスループットが向上し、信号パス上のノイズが低減されることで、フィルタを簡素化できるようになり、結果としてシステムのトータルコストを削減できるようになるという。

また、フラクショナル分周器を用いることで、PLLの動作周波数とは独立した任意の周波数出力を生成可能になる。出力では、12kHz~20MHzの標準的な積分範囲における積分RMS位相ジッタが0.7ps未満という性能を得られるため、これにより、単一のPLLを基にして複数の独立した周波数クロックを生成することで、ノイズに対して敏感な通信分野の用途でメリットを得ることができるようになるという。