ドイツのフラウンホーファー工科大学およびカールスルーエ工科大学の研究者らが「Millilink」と呼ばれる高速無線通信の実験に成功したことを、ExtremeTechが「New wireless network world record: 40Gbps over 1km, using EHF 240GHz」において伝えている。実現した速度はBlu-rayディスクを5秒間で転送できる速度に相当する。実際の都市部などでの利用を想定した環境での実験では最速の通信速度だと説明がある。
Millilinkは200GHzから280GHzまでの80GHzの周波数帯を利用して高速通信を実現している。開発されたレシーバチップのサイズは4x1.5mm。利用する周波数帯が高いため主に直線での利用が想定されており、通信キャリアがネットワークのバックボーンとして採用するシーンが想定されている。同レベルの通信網を有線で実現しようとした場合、高額な設備投資が必要になる。無線での高速通信を実現できれば、こうした面でかなりのコスト削減が期待できる。
利用する周波数帯を高くすることで通信速度を引き上げることはできるが、回折しにくくなるため携帯電話向けの電波としては利用しにくいという特徴がある。