マーケター必読!! 初心者の方も、改めて勉強し直したい方にも――きっと参考になるマーケティング本を厳選しました!

こんにちは!今月よりSMM Labに加わりました大森です。 これからどうぞよろしくお願いします!

私のように(?)「新年度から新たにマーケティング担当になった」という方や、5月も終わりに近付き、「下期の戦略立案に際して、もう一度日々のマーケティング業務を点検したい」といった方々も多いのではないでしょうか?

今回はそんな皆さんのために、SMM Lab推薦のマーケティング関連書籍5冊をご紹介します。

【1】安原智樹 著『これ1冊ですべてわかる マーケティングの基本』(日本実業出版社)

タイトル通り、企業のマーケティング活動の基本的エッセンスが凝縮されています。とはいえ、歴史や小難しい理論を語るのではなく、マーケティングの実践例を詳しく解説。たとえばSTP、3C、4Pなど、基礎的なマーケティング用語も、それらの用語が使われる業務上の場面に当てはめながら説明されています。

用語だけでなく、マーケティング業務の進め方や分析方法、広告・PRの活用法などのノウハウまで、要所要所で、誰もが聞いたことのある有名商品やブランドの例を交えながら解説しているのも特徴のひとつ。

このようにマーケティングの概念やそれを構成する各要素についてかなり噛み砕いて書かれているので、マーケティング初心者が業務の導入として参考に出来るのはもとより、既にマーケティング業務に従事している方が、ご自身の業務の意義を振り返るために読んでみるのにも適しているはずです!

【2】フィリップ・コトラー著/木村達也 訳『コトラーの戦略的マーケティング いかに市場を創造し、攻略し、支配するか』(ダイヤモンド社)

マーケティングの神様とも呼ばれるフィリップ・コトラーの代表的著書で、いわばマーケティングのバイブル。おカタイ理論書かと思いきや、先に紹介した【1】同様に、世界的企業やブランドの詳細な事例を織り交ぜながらマーケティングの概念を説明しているので、とても読みやすいです。

また、これらの事例からマーケティング手法を見習うというよりは、ロールモデルとなった企業が「どう顧客に向き合っているか」を学べる内容になっていると感じます。

IBM、ミシュランなど名だたる企業のマーケティングコンサルティングを行ってきたコトラー。インターネットが普及しはじめた1990年代後半までの約40年に渡る彼の研究が、この1冊にギュッとまとめられた本書。【1】の内容がより深く、体系的に説明されている印象なので、マーケティング業務”初~中級者”が、知識をさらに深めるために読むのに最適です。

【3】フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン著/恩藏直人 監訳/藤井清美 訳『コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則』(朝日新聞出版)

ずばり、ソーシャルメディアの影響が及んだマーケティングの新たなモデルについて語られています。企業のソーシャルメディア担当の方が、マーケティングの大きな視点からソーシャルメディアの役割を見つめ直すのに役立つのではないでしょうか。

著者らは、それまでのマーケティングの歴史を、自社のモノを売り込むため「製品中心」戦略だった「1.0」、製品の差別化を図り顧客満足を目指す消費者志向の戦略を「2.0」と定義。 そしてソーシャルメディアが普及し、生活者が企業を評価する姿勢が以前に増して厳しくなった昨今を、価値主導の「3.0」と謳い、「マーケティング3.0」時代の企業の在るべき姿を語っています。

3.0時代の消費者は理性でモノを買うのではなく、むしろ無意識の感情に訴えることがブランディングに寄与すると主張しています。いわゆる「モノを売るためのマーケティング」とはやや一線を画し、環境対策やチャリティ活動などの”社会文化的”な取り組みも「応用編」として取り上げられている点が個人的に新鮮でした!

【4】シャーリーン ・ リー、ジョシュ・ バーノフ著/伊東奈美子 訳『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』(翔泳社)

「グランズウェル」とは、ひとことで言えばソーシャルメディアの台頭が起こした社会現象。具体的には、FacebookやTwitterなどのSNSをはじめとするソーシャルテクノロジーの普及によって生活者が企業に自由に意見できるようになり、企業がそこでの声に耳を傾けなければならなくなった、ビジネス界に訪れた大きな転換を指しています。

第一部は、一過性のトレンドではなく、一種のパラダイムシフトとなったグランズウェルそのものについて。何故グランズウェルが、企業の無視できない課題として挙げられるのかを説明しています。 続く第二部では、この変化の波をビジネスに活用するためのヒント「グランズウェル戦略」が具体的に述べられています。 結びとなる第三部では、グランズウェルの波をマーケティングに活用し、好例を示した企業の事例を紹介しながら、そこから抽出された「グランズウェル的思考」を提示、ビジネスにおいてグランズウェルと上手く付き合っていくための今後の展望を示しています。

企業も人格を持って消費者に対応することがどうして重要なのか、を改めて確かめたい人は必読です!!

【5】ポール・アダムス著/小林啓倫訳『ウェブはグループで進化する ソーシャルウェブ時代の情報伝達の鍵を握るのは「親しい仲間」』(日経BP社)

ソーシャルメディアが普及した今日、ウェブがコンテンツ中心から”人”中心へ移っているという見解を起点に進む本書。ウェブ上での人の動き、特に人と人がつながったグループ間での情報の広がり方に焦点を当て、今後のビジネスの在り方を提唱します。

影響力の大きな「インフルエンサー」1人よりも、無数につながった「普通の人」5人~10人の少人数グループ内で話題を呼ぶ情報発信を著者は薦めています。

その根拠を、オフラインでの人の振る舞いがオンライン上にも再現されるようになってきている現状や、そもそも人は他人とつながるにあたりどんな点を気にし、それがソーシャルネットワーキング上にどう表れているのか――社会心理学や脳の影響までを用いて、多角的に解説されている点が興味深く、納得させられます。

とにかく科学的にソーシャルメディアにおけるクチコミの効果が説明されているので、ソーシャルメディアマーケティングに懐疑的な上層部を説得する際の材料としても役立ちそうです♪

以上、5冊を【1】~【5】とご紹介した順に読んでいくと

・マーケティング業務全体の把握
・なぜマーケティングにおいてソーシャルメディアが重要なのか

が非常に理解しやすくなると思います。
マーケティングに携わり始めたばかりの人も、既にベテランの域に突入しているという方も、日々のお仕事の参考にしていただければ嬉しいです!
どれも基本的な話がメインですが、何事も基本が大事!! ですよね★

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