ミック経済研究所は、クラウドサービスの進展や周波数再編による920MHz帯域の利用解禁により高い注目を集めている、ワイヤレスM2Mソリューション市場の実態を捉えたマーケティング資料「クラウド・ビッグデータで伸展するワイヤレスM2Mソリューション市場の実態と展望 2013年度版」を発刊し、2013年2月から4月に調査を行った結果を発表した。

この調査では、国内の無線機器メーカー、SI企業から、通信キャリアなど、41社の売上高や動向、各種戦略などについて調査。その個別企業の実態をベースに市場全体の規模や動向を集計・分析している。

ワイヤレスM2Mソリューション 分類 資料:ミック経済研究所

調査によると、ワイヤレスM2Mソリューション市場の市場規模は、2011年度489億円、2012年度は前年度比114.9%の549億円だったという。同市場は、機器の遠隔監視や車両管理などに加え、最近は省エネ需要の高まりによるエネルギー管理への適用も進んでいる。

また、2012年12月に発生した中央道笹子トンネル事故の影響から、改めて老朽化設備の監視・管理が注目され、設備の予防保全へのニーズも増しており、市場は好調に推移しているという。

2013年度以降の市場動向については、成長要因として、まずクラウドサービスの進展、広がりが挙げられ、2012年7月の周波数再編により、920MHz帯域が利用可能となったことも成長要因と考えられるという。同帯域は、400MHz帯域に比べ、広帯域・高速伝送であり、通信距離も伸ばせられ、混雑している2.4GHz帯域よりも混信の心配が少ないことから、大きな期待、注目が集まっている。

以上のことから、ワイヤレスM2Mソリューション市場においては、今後もユーザーの課題を解決する為のソリューションが更に登場してくると思われ、市場規模としては、2011年度から2017年度の6年間で平均成長率20.7%で推移し、2017年度で1,480億円の市場規模になると予測されるという。

ワイヤレスM2M ソリューション市場規模推移・中期予測 資料:ミック経済研究所