住友電気工業(住友電工)は5月22日、独自の金属ナノ粒子技術を生かした導電性ペーストを、回路の層間接続に適用したフレキシブルプリント回路(導電性ペースト接続FPC)を開発したことを発表した。

FPCは、絶縁フィルム上に銅箔で電気回路(導体層)を形成した柔軟性を有する配線材料で、薄くて軽く、また耐熱性にも優れ部品実装が可能などの特長があり、片面板(回路1層)、両面板(絶縁フィルムを挟んで回路2層)、多層板(同3層以上)がある。

今回開発された導電性ペースト接続FPCは、従来の電気めっき接続FPCで用いられてきたパネルめっき法では、めっき銅の厚みにより、回路の高精細化には限界があったことを受け、導電性ペーストによる接続に変更したもので、これにより、めっき銅の余分な厚みを無くし、FPCを従来比で最大約30%薄型化したほか、柔軟性も向上させることに成功しており、これにより、より高精細な回路形成を可能にしたという。

また、製造工程も、パネルめっき法と比べてシンプルになるほか、不良の原因となりやすい、めっき工程を経ないため、高品質で信頼性の高いFPCを提供できるという点も特徴となっている。

なお、同社ではすでに4月より住友電工プリントサーキット 水口事業所の量産ラインを本格稼働させており、両面板FPCの出荷を開始しているとするほか、今後も、独自の金属ナノ粒子技術およびその応用技術を発展させ、さらなる材料開発、新製品開発を展開していく計画だとしている。

今回開発された導電性ペースト接続FPC