Texas Instruments(TI)は、タブレット端末の設計を簡素化する2つの新デバイスとして、128キーのI2C対応キーボードコントローラ「TCA8424」と、FlatLinkインタフェースICへのDSI(デジタルシリアルインタフェース)デバイス「SN65DSI85」を発表した。

「TCA8424」は、HID(ヒューマンインタフェースデバイス)を実現する128キーのI2C対応キーボードコントローラ。製造工程におけるデバイスのプログラミングを不要にし、設計の簡素化と製品開発期間の短縮を実現する。さらに、キーボードとWindows 8ベースシステム間のインタフェースとして、高いコスト効率のシームレスなソリューションを提供する。もう1つの「SN65DSI85」は、FlatLinkインタフェースICへのDSIデバイスで、グラフィックプロセッサとTFT-LCDとの接続を簡単にするとともに、コスト効率を向上させる。同製品はタブレット端末、ネットブック、モバイルインターネットデバイスなどで最大2560x1600画素の解像度を実現する。

また、その特徴としては、最大128個(8×16)のキースキャンにより、標準キーボードに加え、音量制御、輝度制御、前進/後退/ストップ/リロード/ホームなどの追加カスタムキーをサポートしているほか、固定長、8バイト入力レポート機能では、独自機能として、モディファイヤを含む、最大14の同時キー押し下げを検出でき、ゲーム機などの各種最終製品で使用可能だ。さらに、ハードウェアコーデッドHIDとREPORTディスクリプタにより、システムへのソフトウェア移植が簡単で、設計の簡素化と製品開発期間の短縮を実現する。

一方の「SN65DSI85」の特徴としては、最適化されたMIPI DSIインタフェースにより、デュアルリンク18/24bpp FlatLinkと接続可能なデュアル4レーンMIPI DSIポートにより、60フレーム/秒で解像度が最大WQXGA(2500×1600画素)までの広範なグラフィックプロセッサとの互換性を確保している。また、競合製品に対し、サイズを20%低減しており、スペースに制約のあるモバイル機器で実装面積を縮小できる。加えて、より高いビデオ帯域幅をサポート。LVDS画素クロックの動作周波数は154MHzで、競合製品と比較して20%向上させている。個々のDSIレーンのサンプリングレートは1Gbpsで、最大8Gbpsの入力帯域幅を提供している。

なお、パッケージは、「TCA8424」が6mm×6mm×1mmサイズの40ピンVQFN。「SN65DSI85」が5mm×5mm×1mmサイズの64ピンPBGA。価格は1000個受注時で「TCA8424」が0.80ドル、「SN65DSI85」が3.90ドル。「TCA8424」の機能と利点を評価できる評価モジュール「TCA8424EVM」の価格は49ドルで、IBISモデルとユーザーズガイドも提供中。さらに、IBISモデル/HSPICEモデル 、DSIチューナーソフトウェア、ハードウェアインプリメンテーションガイド 、ビデオコンフィギュレーションガイド、コンフィギュレーションツールソフトウェアユーザーズマニュアルなど、製品の開発期間の短縮を可能にする「SN65DSI85」のサポートツールも提供されている。

TIの128キーのI2C対応キーボードコントローラ「TCA8424」と、FlatLinkインタフェースICへのDSIデバイス「SN65DSI85」