独INOVA Semiconductorsと同社の販売代理店である日立ハイテクノロジーズ、およびAnalog Devices(ADI)は5月21日、スマートフォン(スマホ)のアプリケーションやコンテンツと車載機器の融合を実現するAPIX2.0ポートエクステンダ搭載ソリューションを開発したことを発表した。

APIX2は、1本の4芯シールド・ツイスト・ペアケーブルで、2本の非圧縮HDビデオストリーム、マルチチャンネル・オーディオ、100Mbpsのイーサネット・データ通信を実行でき、下り3Gbps、上り187.5Mbpsの転送レートを実現し、完全に独立した複数のデータフォーマットやプロトコルのリアルタイム同時通信が可能である。それに対応した同ソリューションは、HD解像度スクリーンのリアルタイムミラーリングと高品質オーディオに対応し、1本の4芯ケーブルだけで12mまでの通信が可能となるため、自動車メーカーは車両内のほぼあらゆる場所にHDMI/MHLの入力ポートを追加することができるようになるという。また、APIX2のマルチチャネル・アーキテクチャを活用し、同一のAPIX2リンクを使うことで、複数ポートへの拡張機能の設計も可能であり、これにより配線コストの低減、複数の車載ディスプレイでのコンテンツ共有が実現できるようになるという。

さらに、APIX2の高速データ通信機能を利用したポートエクステンダの採用により、車載エレクトロニクス機器の簡素化が可能だという。例えば、ポートエクステンダに含まれるさまざまなIC部品の設定を、標準的なI2CやSPIプロトコルに対応する車載インフォテインメントユニットからAPIX2を介して一括制御できることから、ポートエクステンダ内部のコントローラを不要にすることができるほか、HDCPアクセラレータ機能によって、車載インフォテインメントユニット、およびディスプレイに携帯デバイスを接続する際のコンテンツ保護認証など、必要な機能を実行することが可能になるという。

なお、同ソリューションは、5月22日から24日にかけてパシフィコ横浜にて開催される「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2013」にて展示される予定。具体的には、INOVAが開発した最新世代のAPIX2技術を搭載したADIのHDMI対応APIXトランシーバ「ADV7680」とINOVAのディスプレイ向けAPIXレシーバ「INAP395R」が紹介される予定だという。