東芝グループは、天台宗東北大本山関山中尊寺殿と共同で実施した「中尊寺金色堂 照明改修プロジェクト ~世界遺産 維持・継承の試み~」において、第31回(2013)日本照明賞を受賞したと発表した。
本賞は、照明学会が、日本の科学、技術、産業、文化の水準を高め、世界に誇りうる優れた業績をあげた個人・グループを顕彰するもの。
同グループは、東日本大震災からの復興支援活動の一環として、岩手県への観光集客力の拡大に貢献するため、世界文化遺産に登録されている岩手県平泉の中心的構成資産である中尊寺に、LED照明設備と太陽光発電システムを寄贈。
中尊寺新覆堂(しんおおいどう)内の金色堂や仏像、荘厳(しょうごん)の芸術性・精神性をより効果的に表現できるLED照明空間を実現。また、自然と共生する平泉の理念に賛同し、自然エネルギーを活用する5kW規模の太陽光発電システムを設置した。
大切な文化遺産を守り継承していくために、東芝は照明技術の全てを結集。LED照明導入前に比べ、消費電力を約41%削減。また省電力化だけでなく、「仏国土(浄土)を表す建築物」として総金箔の堂外観、螺鈿(らでん)や蒔絵等で荘厳された巻柱(まきばしら)、内陣須弥壇(しゅみだん)に各々安置されている阿弥陀三尊像、地蔵菩薩、二天像などの迫力、装飾の芸術性を損なわない色の美しさや色合いの作り方、光源自体の見え方までを検証し、充分な明るさと空間にあった最適な色温度と、より自然光に迫る演色性を実現した。