STMicroelectronicsは、生活家電、テレビ、PC、通信、サーバ用スイッチング電源などにおけるパワー回路の効率を向上させる最新のパッケージ技術を採用した、スーパージャンクション型のMDmesh VパワーMOSFET「STW57N65M5-4」を発表した。
従来のパッケージは、スイッチング制御とパワーラインを共用していたが、「STW57N65M5-4」が採用している4リードTO247-4パッケージは、スイッチング制御専用のソース接続を提供。このリードの追加により、スイッチング効率が向上し、電力損失を抑える他、より小型の電源装置を高周波数で運用することが可能になる。同パッケージは、STとInfineon Technologiesが共同開発したもので、Infineonもスーパージャンクション型の新製品で採用している。これにより、セカンドソースの柔軟性をユーザーに提供している。
TO247-4パッケージは、ソースへのケルビン接続を可能にする内部設計を特徴としている。この接続は、主電源接続の共通のソースインダクタンスをバイパスするため、スイッチング損失が最大60%削減され、より小型のフィルタコンポーネントを使用できる高スイッチング周波数を利用できる。また、シリコン当たりの導通時の効率が最高レベルのSTのMDmeshスーパージャンクション技術と組み合わせることで、最大限かつ総合的な省電力化が実現する。
なお、同製品は、TO247-4を初めて採用したMDmesh製品で多種多様なコンスーマ、産業用機器のアクティブな力率改善(PFC)回路およびフルブリッジまたはハーフブリッジのパワーコンバータの電力効率を向上させる。すでに量産出荷を開始しており、価格は1000個購入で約10ドルとなっている。