アドビ システムズはこのほど、都内で開催した「Adobe Create Now MAX 2013速報イベント」にて、映像制作ソフトの最新版「Premiere Pro CC」などの新機能についてデモンストレーションを行った。
映像制作ソフトのデモンストレーションコーナーを担当したのは、同社の古田正剛氏。放送の現場において4K対応が必要となっていることを強調した上で、その制作に直面するクリエイターに向けたソフト群の新機能を解説した。
Premiere Pro CC
動画編集ソフト「Premiere Pro CC」に関しては、冒頭で触れられた4K映像を変換なしで扱うことができ、最新フォーマット「ソニーXAVC」にも対応。また、2012年に発表されたカラーグレーディングソフト「Adobe SpeedGrade」のプリセットに直接アクセスできるようになった。そのほか、映像の音声情報を元に複数のカメラの同期をとることで、マルチカメラ編集が容易に行えるようになった。
After Effects CC
映像編集ソフト「After Effects CC」の解説も行われた。「Premiere Pro」が複数カットをつないでいくソフトであるのに対し、「After Effects」は1カットを作り込んでいくためのもの。今回から3Dの連携を強化し、3DCGソフト「CINEMA 4D」のファイル(.c4d)を直接読み込めるようになったほか、同ソフトの簡易版「CINEMA 4D Lite」を同梱する。また、従来から搭載していた「ロトブラシ」ツールの進化版として「エッジを調整ツール」を追加。従来のロトブラシでは難しかった、細かな部分まで切り抜くことが可能になった。
Adobe SpeedGrade
カラーグレーディングソフト「Adobe SpeedGrade」では、映像の色味やトーンを調整していく「カラーグレーディング」という作業をより多くの人に使用してもらうための機能を追加。フォトグラファーの利用を想定し、「Photoshop」や「Lightroom」で行った写真のレタッチの結果を映像に反映する「Shot Matcher」機能を追加した。
Audition CC
オーディオ制作ソフト「Audition CC」では、不要な音を取り除く「サウンド除去」機能を搭載。そのほか、人の聴感に応じたラウドネスを測定する「ラウドネスメーター」を新たに装備し、64bitをネイティブサポートした。