シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)とSTMicroelectronicsのグループ会社であるVeredus Laboratoriesは、1つの血液サンプルから13種類の異なった主要熱帯伝染病を特定することができるバイオチップ「VereTrop」を開発したと発表した。

同バイオチップは、医療現場におけるデング熱、マラリア、チクングンヤ熱、手足口病などの熱帯伝染病の検査などに用いられるもので、1つの血液サンプルから複数の対象病原体を数時間で試験することが可能な携帯型テストキットとなっている。

実際に、A*STAR SIgN(Singapore Immunology Network)の研究チームが、タイとミャンマーの国境に位置するタイ北部の屋外現場で患者サンプルを用いて、同キットの検証に成功しており、同技術を用いることで、熱帯地方の疾病の主要因となっている伝染病を正確かつ迅速に診断する新たな可能性が切り開かれた、と研究チームは説明している。