米Yahoo!のMarissa Mayer氏と米IBMのVirginia Rometty氏の両CEO、米Facebook COOのSheryl Sandberg氏、さらに米Microsoftも次期CFOに女性を任命するなど、男性が多いといわれるITでも女性がCレベルのポジションに付くことは珍しくなくなった。それでも、米国では男女間の所得に年間2万3900ドルの開きがあるという。
転職情報サイトのCareerBuilderとEconomic Modeling Specialists Intl.(EMSI)では、2013年3月に男性約1740人、女性約1470人を対象に調査を行なっている。
調査によると、男性の年間所得は6万8300ドル(約683万円)であるのに対し、女性は4万4400ドル(約444万円)となり、男性の方が2万3900ドル(239万円)高いことが分かった。調査ではCEOの83%が男性で、高報酬の職に付く比率についても男女間で乖離があると指摘している。
このように、幹部層に占める比率はいまだに女性の方が低い一方で、高スキルで特別な地位において、女性が同等に扱われていたり男性よりも高い地位に着きつつある傾向が見られるという。調査ではまた、Cレベル(最高経営責任者のCEO、最高財務責任者のCFO、最高マーケティング責任者のCMOなど)を目指すかどうかについても聞いた。男性の28%が「Cレベルを目指している」と回答したのに対し、女性は16%だった。
高報酬の職種を一部みてみると、男女比は以下のようになっている。
- 口腔外科医(平均年間報酬19万4085ドル)――男性43%、女性57%
- 歯科矯正医(同19万1776ドル)――男性43%、女性57%
- 内科医・外科医(同18万7533ドル)――男性55%、女性45%
- 一般歯科医(同14万8096ドル)――男性51%、女性49%
- 石油工学者(同12万2242ドル)――男性97%、女性3%
- コンピューター・情報システムマネージャ(同11万6785ドル)――男性77%、女性23%
- 薬剤師(同11万3090ドル)――男性34%、女性66%
- マーケティング・マネージャ(同11万2424ドル)――男性65%、女性35%
- 飛行機操縦士、副操縦士、航空機関士(同10万5518ドル)――男性97%、女性3%
- 弁護士(同10万4395ドル)――男性67%、女性33%
男性より女性が多い職種は、公認看護婦(女性96%)、教育関連の事務・行政(女性83%)、精神科医(女性62%)など。
男性と女性の比率が等しい職種は、政治学者、広告・プロモーションマネージャ、スクールバス運転手(全て男性50%、女性50%)、仲裁人・調停人(男性51%、女性49%)、社会学者(男性51%、女性49%)、コンピューターオペレーター(男性52%、女性48%)、パン職人(男性48%、女性52%)、小売り販売員(男性47%、女性53%)、中学校教諭(男性53%、女性47%)などとなっている。
CareerBuilderでは、高報酬の仕事に占める男性の比率が依然として高いことを指摘しながらも、全体として男女の格差は減少に向かいつつあり、「情報技術、ヘルスケア、営業など高報酬の仕事を目指す女性が増えている」とコメントしている。