Infineon Technologiesは、高い精度を実現しつつ、エネルギー消費量と実装面積を抑えることが要求される車載・産業用アプリケーション向けホールセンサファミリ「TLE496x」を発表した。

同ファミリは、同社の0.35μmプロセスをベースとして製造され、パッケージサイズ2.9mm×1.3mm×1.0mmのSOT23で提供される。1.6mA未満の低消費電流を実現しつつ、最大32Vの高動作電圧にも対応可能なほか、従来世代製品比で、オン、リセット、オフの特性の強化や、広範な保護機能によるシステムの品質、信頼性、制御能力の向上が図られているという。

また、外部抵抗が不要となるほか、アプリケーションによっては、プレ抵抗やTVS保護ダイオードも不要となるため、システムコストと基板面積の削減が可能となるほか、誤差補償回路を内蔵しているため、機械的応力や熱応力の影響を軽減でき、出力の過電流や過熱からの保護が可能となる。

さらに、消費電流(Typ.)は1.6mAで、同等の製品で必要な電流レベルと比べて、約50%の電流で動作するほか、8kV HBM(人体モデル)のESD耐性と、正確で安定した磁気スイッチングポイントにより、堅牢なソリューションが必要な高精度アプリケーションへの適用も可能となっている。

なお、同ファミリは現在、「TLE4961」、「TLE4964」、「TLE4968」の3つのシリーズ構成で提供されており、すべて、-40℃~+170℃の温度範囲で動作するほか、スイッチングしきい値は、±1mT(双極スイッチ)、±2mT~±15mT(ラッチ)、2.5/3.5mT~22.5/28mT(単極スイッチ)となっており、ラッチの場合も単極スイッチの場合も、広範なスイッチングしきい値範囲に対応するという。

なお、3シリーズならびにその派生品はいずれも量産出荷を開始しており、TLE496xファミリは、SOT23パッケージのほか、SC59(SMD)パッケージとSSO-3リードタイプパッケージでも提供されているという。