日本オラクルは5月8日、愛知県豊川市の公立小中学校36校で利用するPC端末、ならびに同市の市役所で利用する職員用PC端末、合計約3,000台の刷新に、シンクライアント端末「Sun Ray 3」を含むオラクルの仮想デスクトップ基盤「Oracle Virtual Desktop Infrastructure(以下、Oracle VDI)」が採用され、稼働を開始したと発表した。
豊川市の公立小中学校36校で使用する物品からITシステムまでを幅広く管理する豊川市教育委員会では、煩雑な管理・修理業務が頻繁に発生し、教育委員会の本来の業務が滞る懸念が顕在化していたため、効率的な運用と安全性の確保の両立を実現するシンクライアントシステムを検討。仮想化技術を使用し、耐用年数にも優れる"オール・オラクル"構成による「Oracle VDI」の導入を2012年4月に決定した。
「Sun Ray 3」をシンクライアント端末に、オラクルのx86サーバ「Sun Server X3-2」でシンクライアントのサーバ基盤を構築し、共有データの保存および複製によるバックアップ用途に統合ストレージ製品「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」の採用に至った。
「Oracle VDI」の採用・稼働開始にあたって、同志が高く評価した特長は、「従来のPCとファイル・サーバ専用機によるシステムと比較して、同システムによるシンクライアントシステムは、耐用年数が15年以上と試算し、これにより20パーセントのTCO削減を可能」、「シンクライアントはリモートで操作できるため、学校の校務のデータをUSBメモリに入れて、教職員が自宅にもち帰るというリスクもなくなり、PCを集中管理しているため、刷新にともなう配備コストを低減可能」、「シンクライアントでは電源投入から1分以下で業務を開始することが可能となり、従来4~5分かかっていたPCの起動時間を大幅に短縮し、業務効率の向上にも寄与する」など。
同市は、2018年までの6年間で約2,000台の教職員用PCを「Sun Ray 3」へと置き換える作業を進め、並行で同市役所でも職員用端末として「Sun Ray 3」を採用し、約1,000台のPCの刷新を実施する。