オルニチン研究会は5月8日、疲れ気味の被験者を対象に、オルニチンが睡眠や朝の目覚めに対してどのような影響を与えるか検討する試験を行ったところ、就寝前のオルニチンの摂取により、眠りの体感が良くなり、翌朝起床した際に頭がより早く目覚める可能性が示唆されたと発表した。
同成果は、同志社大学大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター研究員で銀座アンチエイジングラボラトリー所長の森田祐二氏らによるもの。
現在、日本人の半数以上が「寝つきが悪い」「熟睡できない」「目覚めが悪い」といった眠りに対する不満を抱えていると言われている。今回の研究は、そうした問題の解決を目指したもので、土日が休日かつ交代勤務ではない疲れ気味の男女22名を被験者として、オルニチン塩酸塩800gまたはプラセボ食品を1週間のうち、火曜日と木曜日の2回、就寝の約1時間前にいずれかの試験食品を摂取してもらい、翌朝の起床時にアンケート(OSA-MA、VAS)やパフォーマンステスト(ストループテスト、計算問題、片足立ち時間測定)を行うという形で行われたほか、同様の試験をもう一方の試験食品を用いて、別の週にも再度行っって、その結果を比較した。
この結果、アンケートでは、OSA-MAの「入眠と睡眠維持」の項目でオルニチン摂取群で有意な改善が認められたほか、ストループテストの中で最も複雑な課題である課題4において、オルニチン摂取群で有意な改善が認められたという。
なお、これを受けて森田氏は、オルニチンには疲労回復効果が知られており、それにより眠りの体感が良くなり、睡眠の質向上につながり、結果的に、翌朝の起床時に頭がより早く目覚める可能性が示唆されたという考察をしている。