ロームは5月8日、車内用コンセントに使用されるACインバータや充電機器向け車載用漏電検出IC「BD9582F-M」を開発したと発表した。
電気自動車(EV)やハイブリットカー(HEV)は、大型の蓄電池を搭載していることから、本来の運送機能に加え、非常用電源としての活用が期待されるようになってきており、スマートフォンをはじめとする携帯機器だけでなく、消費電力の大きな家電製品も使用可能なAC100Vの車内用コンセントも搭載されるようになり、新たな電力供給源として考えられるようになってきた。
同製品は、そうした車内用コンセントを安心・安全に使用するために使用されるものだが、これまで、自動車で漏電検出ICを使用するためには、温度保証などを含めた信頼性面での課題を克服する必要があった。
そうした課題の克服に向け今回、温度保証を従来の-20℃~+95℃から-40℃~+105℃の範囲に拡張したほか、車載用として必要とされている耐放射電磁波対策を行うことで、信頼性を確保。車載用半導体の規格「AEC-Q100」にも準拠し、独自の技術を採用し回路に工夫を持たせることで遮断性能を向上し、安全性を高めているという。。
また、回路の最適化を行うことで、業界最少クラスの消費電流330μAを実現。高信頼性を保証しつつ、バッテリーの消費電力低減に実現するという。
なお同社では、同製品は、車載のみならず民生機器への適用が可能であり、今後、そうした用途に向けたラインアップの拡充を図っていくとしている。
すでにサンプル出荷は開始されており、サンプル価格は250円。2013年6月下旬から月産5万個規模で量産を開始する予定。