Alteraは、同社のFPGAおよびSoC用開発ソフトウェア「Quartus II」の最新版となるバージョン13.0を発表した。
同ソフトウェアを利用することで、28nmプロセスFPGAおよびSoCの開発において、コンパイル時間を平均で25%短縮できるほか、ハイエンド28nm FPGA「Stratix V」をターゲットにしたデザインを完成させる際のコンパイル時間を、従来バージョンより平均50%短縮できるようになるという。
また、同バージョンでは、Cベース、システム/IPベース、およびモデルベースといった高位レベルのデザインフローの拡張が施された。OpenCL向けSDK(SDK for OpenCL)により、FPGA開発の経験のないユーザーも超並列FPGAベースのアクセレレータが利用可能となるほか、同並列プログラミングモデルは、コーディングからハードウェア実装までを最短時間で実現できるようになるという。
さらにシステム統合ツール「Qsys」は、ARMベースの「Cyclone V SoC」向けのサポートを拡大。FPGAファブリック内に業界標準AMBA AHBおよびAPBバスインタフェースを生成することが可能となったほか、これらのインタフェースはARM のTrustZone要件に準拠しているため、SoC-FPGAベースシステムの全体を、重要なシステムリソースとして保護される領域と、それ以外のすべての保護されない領域とに分離できる。
加えて、DSP Builderデザインツールでは、高性能な固定および浮動小数点アルゴリズムを自社のDSPデザインに効果的に実装することが可能となったほか、精度および丸めのパラメータライゼーションを拡張したmath.hファンクション、固定および浮動小数点FFT向けのパラメータ化可能なFFTブロック、フォールディング機能の効率化、およびリソース共有の改善がなされた。
なお、Quartus II v13.0のサブスクリプションエディションおよび無償のWebエディションは、同社Webサイトより入手可能。ソフトウェアサブスクリプションプログラムは、ライセンス料とメンテナンス料を合わせて年間費用として支払うことができ、その契約には、「Quartus II」、「ModelSim Altera Starter Edition」、同社のIPコアで最もよく利用されているIPコア(DSP機能とメモリ)で構成される「IP Base Suite」の全ライセンスが含まれている。年間費用は、米国内販売価格が2995ドル(ノードロックPCライセンス時)で、同社のeStore、または販売代理店から購入できる。OpenCL向けSDKは現在、Webサイトから個別にダウンロード可能で、年間費用は、米国内販売価格で995ドル(ノードロックPCライセンス時)となっている。