IDC Japanは4月30日、2012年下半期(7月~12月)の実績調査を元にした、国内クライアント仮想化市場の分析結果を発表した。2012年の法人向けクライアント端末における仮想化導入率は20.2%まで上昇し、市場が急速に拡大する分かれ目とされるキャズム(溝)を越えたと同社では分析。今後は2013年に仮想化導入率が24.3%、2017年には同48.7%まで上昇すると予測している。
法人で利用されるスマートデバイス(BYODを含む)の2012年仮想化導入率はスマートフォンが17%、タブレットが20%で、2017年には同22.5%、29.6%まで高まるとIDCは予測している。
2012年の国内クライアント仮想化ソリューション市場は前年比40.7%増の3526億円。2013年予測は昨年比34.7%増の4751億円、2017年には同17.1%増の9127億円まで市場規模が拡大するとしている。
市場規模が急拡大する要因としてIDCでは、2013年に法人向けPCの買い換えサイクルがピークに達すること、2014年にWindows XPのサポートが終了することを挙げている。これらを契機として、XPのソフトウェアを仮想化環境へ移行する、またはWindows 7/8に移行せず、代わりにクライアント仮想化を検討するなどの対策を取る可能性があるという。
IDCは仮想デスクトップサービス(DaaS含む)への拡張や、モバイル仮想化も加わることで仮想化市場が更に拡大すると予測。拡大する過程では、ユーザーが認識できないレベルでクライアントデバイスに仮想化技術が組み込まれ、浸透していくとしている。