ニールセンは4月25日、全世界の広告費を調査する「Global AdView Pulse」の2012年第4四半期版の結果を発表した。

発表によると、2012年における世界全体の広告費は前年比3.2%増の5570億ドル。第3四半期は対前年同期比で4.3%増、第4四半期は対前年同期比2.5%増となっている。

2012年はヨーロッパ以外のすべての地域で前年よりも広告費がアップしている。特に、中東 / アフリカ市場は、地域経済が安定したことから前年比14.6%増という急激な拡大を見せてており、経済状況が大きく好転したエジプトは、広告費が前年よりも20.4%増えている。

一方で、ヨーロッパでは広告予算の大幅削減が続き、第4四半期は前年比5.3%減、年間では4.2%の減少となっている。また、アジア太平洋地域も伸び悩み、年間での広告費は2011年が前年比11.5%増だったの対し、2012年は2.8%増にとどまった。

北米の広告費は第3四半期以降も引き続き増加傾向にあり、第4四半期は前年比3.1%増、年間では前年比4.6%の増加となっている。

地域別年間広告費増減率(発表資料より)

媒体別にみると、全世界での2012年のテレビ広告費は3500億ドルで、前年比4.3%増。新聞広告と雑誌広告の広告費はともに前年よりも減少しているが、全広告費におけるシェアは新聞広告が19.5%で2位、雑誌広告は8.0%で3位となっており、両媒体とも今なお強い影響力を維持していることがわかる。

また、これはすべての国を対象にしたデータではないものの、ディスプレイアド広告費は前年比9.9%増の成長となっている。

媒体別広告費増減率(発表資料より)

媒体別広告費のシェア(発表資料より)

産業別にみると、2012年は電気通信を扱うテレコム産業や、日用消費材、メディア産業で広告費の支出増加が顕著。ヘルスケアや耐久消費財といった分野は広告費支出が減少している。

産業別広告費の増減率(発表資料より)

産業別広告費シェア(発表資料より)