Maxim Integratedは、精度を従来製品比2倍に高め、バッテリ管理電子回路のコストを最大35%削減させることが可能な12/16チャネルセル測定アナログフロントエンド(AFE)「MAX14920/14921」を発表した。

2製品は、高精度コモンモードレベルシフトおよびA/Dコンバータ(ADC)データ変換を簡素化するために内蔵した高精度アンプを使用して、セル電圧の測定精度を2倍に高めており、これにより充電状態の判定とセルバランシングが改善され、充電式リチウムイオンバッテリパックの寿命延長が可能となった。これは、LiFePO4カソードを使用した製品などの平坦な放電曲線を示す最近のバッテリタイプにおいて特に重要となるという。

2製品ともに、セル電圧測定±0.5mV maxを実現しており、MAX14921の場合、13S~16Sチャネルのバッテリパックに必要な最大2つの6チャネルAFEが不要になるため、無停電電源装置(UPS)システム、スマートグリッドの蓄電パック、およびテレコムの電源バックアップ用バッテリパックで必要とされる48V~65Vのパック電圧に最適だと同社では説明している。

また、2製品ともに、-40℃~+85℃の拡張温度範囲で動作する。

なお、パッケージはMAX14920が10mm角の64ピンTQFP、MAX14921が12mm角の80ピンTQFP。価格はMAX14920が1000個購入時で5.04ドル、MAX14921が同6.15ドル。すでにサンプル出荷を開始している。

Maximの12/16チャネルセル測定アナログフロントエンド(AFE)「MAX14920/14921」