調査会社の米IDCは4月22日(米国時間)、世界業務ソフトウェアに関する動向報告を発表した。2012年の成長率は前年比3.6%増。当初の予想通りではあるが、その前年の成長率の半分以下となった。そんな中でビックデータ、分析、クラウドなどのトレンドを受け、関連するソフトウェア分野は高い成長を見せた。

2012年の世界ソフトウェア市場は、2011年比3.6%増の3420億ドルとなった。不安定な景気動向などが原因で、成長率は2011年、2010年の半分以下にとどまった。IDCで低い成長一過性のものではない見解を示し、「保守的な成長期のはじまり」と形容している。

「アプリケーション」「アプリケーション開発・実装」「システムインフラ・ソフトウェア」の3分野のうち、成長が最も高かったのは「アプリケーション開発・実装」で、4.6%増で成長した。ビックデータ、分析などのニーズを受け、データアクセス・分析・配信は前年比6%増となり、構造化データ管理も同5.9%増となるなど、この分野の成長を後押した。

全体の5割弱を占める「アプリケーション」は、3%増となった。セグメント別では、CRMとコラボレーションが7%近い成長率となっており、CRMについてはクラウド移行のトレンド、コラボレーションはエンタープライズソーシャルソフトウェアが成長要因としている。

「システムインフラ・ソフトウェア」は3.3%増と、ほぼ全体の成長率と重なった。成長セグメントは、セキュリティソフトウェア、システム/ネットワーク管理ソフトウェア。

ベンダー別では、米Oracle、米Microsoft、独SAP、米IBMなどがそれぞれの分野で上位を占めた。