中西金属工業(以下、NKC)は、グローバルでの設計・製造に関わる情報の一元管理や業務の見える化・効率化を実現するシステムを、日本電気(以下、NEC)が、提供するクラウドサービスを利用して導入したと発表した。

グローバルERPソフトウェア「IFS Applications」アーキテクチャ(SOCA)

NKCは、ベアリング・リテーナー、コンベア及び自動制御装置、住宅関連製品、各種金属プレス加工品等の製造販売を行っており、製品の設計は、日本・米国・フィリピンで行い、また海外の営業拠点はタイやインド、インドネシアなど13拠点にわたる。1つの製品に関する設計の進捗状況や製品ごとの部材調達状況、製造進捗状況の見える化などが課題となっていた。

NECは、IFSのグローバルERPソフトウェア「IFS Applications」のクラウドサービスを活用し、データセンターに、案件ごとの設計・製造プロセスに必要な関連情報を集約し一元管理することで、設計から製造・出荷に関わる業務の見える化を実現。協力会社を含む海外各拠点の担当者と日本との情報共有の効率化・早期化に貢献する。また、データセンターを利用することで、セキュリティの確保と、万一の災害の際の事業継続性も実現した。

同サービス利用により、NKCは、これまで電話やメール、郵送で実施していた情報伝達について、クラウド上のデータを参照、またはダウンロードすることなどして業務の待ち時間を減らし、業務全体の効率化を図るとともに、収益増を目指す。

なお、NKCは2007年から設計業務の効率化や設計/生産のシームレスな連携に取り組んでおり、見積情報、設計図面/仕様書/部品表などの製品技術情報を管理するNECのPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウェア「Obbligato III」を導入している。「Obbligato III」の設計情報を、「IFS Applications」と連携させることで、このたびの見積から受注・設計・製造・出荷までの一連の業務を世界中のあらゆる拠点で把握する事が可能となる。

次世代PLMソリューション「Obbligato III」

NKCは、今後海外における本クラウドサービスの利用拠点を拡大し、世界中どこで誰が業務を実施しても同じ品質で、よりきめ細かい生産管理ができるように推進していく。