京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)と京セラ丸善システムインテグレーション(以下、KMSI)は、慶應義塾大学医学部で2013年4月から行われる電子教科書の配信実験に、両社が開発・販売を行う電子書籍配信サービス「BookLooper」を提供すると発表した。
両社は、大学での電子学術書の普及を目指し、2010年から慶應義塾大学メディアセンター(図書館)と共同で学生・教職員を対象とした電子学術書利用実験を行ない、2013年4月からは京都造形芸術大学などの教育機関に電子書籍配信の商用サービスを提供している。
これまでも両社は、教科書や学術図書の電子配信において、さまざまな学習支援機能を提供してきたが、今回、より専門性や利用頻度が高い医学分野での電子書籍の普及を目指す。
今回、実験を行う医学部では、学生が数多くの専門書を持ち歩かなければならず、それら医学系書籍はページ数や図表を用いた説明も多いため、学生・教職員から書籍の電子化やITを活用したより効率的な学習への要望があった。そこで慶應義塾大学医学部では、医学系学術出版社3社(医学書院・南江堂・医歯薬出版)の協力を得て、今回、医学部の2年生全員と教職員の約140名にiPadを配布し、まずは半年(一部の教材は1年)かけて授業や自宅などで利用し、その中で学習・研究に適した電子出版物の利用モデル、商品モデルの開発に必要な基礎データの収集を行う。
学生は、「BookLooper」を使ってiPadにダウンロードした電子教科書を学習利用できるほか、同大学メディアセンターが提供する学術書や学術雑誌などもiPadで閲覧可能。
今後も両社は、教育機関や企業への電子の書籍・雑誌・教材などの普及を推進し、大学での効率的な研究・学習や企業での知識活用に貢献していく。