東洋新薬は4月22日、オリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分としたポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用や血流改善作用などさまざまな 生理活性を示すのが特徴で、近年強力な美白作用や抗シワ作用が確認されているフランス南西部ランド地方を主体に植林された海岸松の樹皮から抽出される同社独自の素材「フラバンジェノール」の美白メカニズムの一因として、ヒトメラノサイトにおいて紫外線照射時に増加する、メラニン生成に関与する遺伝子発現量を低減させることを確認したと発表した。
同成果は中部大学の芋川玄爾 客員教授との共同研究によるもので、詳細は「日本薬学会第133年会」において発表された。
同社はこれまでもフラバンジェノールに関する研究を進めてきており、内服および塗布による老人性色素斑(シミ)への美白作用を臨床試験で確認してきている。また、美白メカニズムとして、チロシナーゼ阻害作用およびB16マウスメラノーマにおけるメラニン生成抑制作用を有することを細胞・遺伝子レベルで確認してきていた。しかし、実際は複数の因子によりメラニン生成が促進されることから、今回の研究では、フラバンジェノールが「ヒトメラノサイト」におけるメラニン生成促進の細胞内での各プロセスに及ぼす影響の検証が行われた。
具体的には、ヒトメラノサイトに紫外線(UVB)を照射していない時と照射した時のそれぞれにおいて、フラバンジェノールがMITFおよびTYR、TYRP2のmRNA発現量に及ぼす影響を定量的RT-PCR法を用いた評価を行った。
その結果、フラバンジェノールはヒトメラノサイトにおいてUVB照射時に増加するMITF、TYR、TYRP2のmRNA発現量を低減させることが確認され、これによりフラバンジェノールにはチロシナーゼ阻害作用に加え、メラニン生成酵素遺伝子発現に至る転写プロセスを多段階的に抑制し、美白作用を発揮することが明らかとなったという。
なお同社は今後もフラバンジェノールを用いた独自性の高い商品の開発を進めていくとしている。