仕事に真剣になればなるほど、意見や見解の衝突や対立は起こる。逆に、衝突のない職場からはイノベーションは生まれにくいともいえる。そうはいっても、同じように議論するなら後味が悪くならないようにしたい。
OpenForumが「職場でのトラブルに対応できる10の言い回し(原題 : 10 Phrases That Can Solve Any Work Problem)」として、使える言い回しを紹介している。海外とのやりとりでも使えるように、英語でのフレーズも書き出した。なお、想定しているのは社内(上司と部下)だが、取引先や顧客との間でも使えそうな表現もある。
「そんなことになっているなんて知らなかった。詳しく教えてくれないか? (I didn’t realize this was going on, so tell me more)」
自分が把握していなかったことを弁護する、これは緊張した状況を柔らかくするひとつの方法だ。感情的な自己主張をやめて、お互いの言い分を聞く――この態度は共感を生むだろう。だが共感は合意とは違う点に注意したい。「あなたの意見を聞きたいけれど、そんなに感情的になると落ち着いて聞けないよ (I want to listen to your point of view, but I can’t do it when you are yelling at me)」
感情的な言葉のやりとりに終始するか、冷静に議論するか――このフレーズを覚えておけば、感情に流されかけた議論を共通の目標に向かうための意味のあるプロセスに変えることができそうだ。「あなたの言いたいことは分かったが、私にはそうは見えない (I understand your point of view, but I see it differently)」
相手の意見や見解に完全に合意できないとき、相手を尊重している立場を示す一言がこれだ。同時に、やんわりと「合意できない」という意思を表示できる。「今後はあなたの考えも取り入れよう (I will incorporate your thoughts going forward)」
この言葉で、双方の意見を織り込んだ解決に至りたいというあなたの気持ちを表現できる。ポイントは、この言葉そのものは、相手の特定の意見や考えを取り込むとは述べていないことだ。今後に可能性を残した表現として使えそうだ。「解決するためには、双方がもっと努力する必要がある (Both of us need to put more effort into this if it’s going to work out)」
自分を入れることで、一緒に解決や合意に向けて取り組もうとする協調の姿勢を示すことができる。「なぜ私の意見に合意できないのか、理由を教えてくれないか? (Why don’t you agree with me?)」
かなり直接的な表現だが、問題の核心を知ることができる。理由が分かれば、合意に一歩近づくことになるだろう。「お互いに合意できないみたいだから、また日を改めて話し合おうか? (Since we can’t seem to agree, can we continue talking about it another day so we can think of more solutions?)」
議論に行き詰まったら、引き分けで一時休戦しよう。内容が深刻であればあるほど、すぐに解決とはいかないだろう。リフレッシュした後の第2ラウンドで議論が進むことを期待したい。「同じ事態が起きないよう、何ができるかを考えよう (Let’s see what we can do to make sure it doesn’t happen again)」
今回の失敗を認めた後は、前向きに議論を進めて行こう。失敗にこだわり相手や自分を責めるのではなく、次の対策につなげようという思いを表現できる。「同じことが起きないようにもっとコミュニケーションを改善したいんだが、どうすればいいかな? (What can I do to improve communications so this does not happen again?)」
相手ではなく、プロセスでの衝突にフォーカスして、同じ過ちを繰り返さないようにする。人にフォーカスして議論すると解決はさらに遠くなるので、覚えておきたい一言だ。「あなたの負担を減らすために、わたしに何ができる? (What can I do next time to make this less difficult for you?)」
日本語の直訳はぎこちないが、自分の意見を曲げずに相手の不満を軽減する解決策を目指すなら、このフレーズのようなアプローチを。