日立ソリューションズは22日、クラウドストレージサービスの情報漏洩リスクを軽減する「秘文 Cloud Data Protection」のトライアルサービスを2013年5月31日から、販売を8月30日から開始することを発表した。
発表会では、株式会社日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部プラットフォームプロダクト本部長 臼杵誠剛氏と同社プロダクトソリューション事業部プラットフォームプロダクト本部 プロダクト拡販支援センタ長 比内優氏が登壇した。
左から株式会社日立ソリューションズ プロダクトソリューション事業部プラットフォームプロダクト本部長 臼杵誠剛氏と同社プロダクトソリューション事業部プラットフォームプロダクト本部 プロダクト拡販支援センタ長 比内優氏 |
臼杵氏は「秘文」について「暗号化/持ち出し制御/コンテンツセキュリティの3層防御を実現した製品」と紹介し、「自由にコピーは出来るけど持ち出しは制限し、クラウドでもセキュリティを担保する」と強調した。
スマートデバイスの普及も相まって、取引先など企業間での情報共有のニーズが高まっており、インターネット経由で簡単にファイルの保管や共有が可能な企業向けクラウドストレージサービスが注目されている。一方で、安全性に関する懸念は払拭できていないのが現状だ。
秘文 Cloud Data Protectionを用いると、クラウドストレージ上に自動的に暗号化されたファイルが保存され、スマートデバイス上にファイルが同期されるときにも暗号化状態を保つことができる。そのため、外出先などでも利便性を損なわいまま、安全に資料閲覧やファイル共有を行える。なお、アルゴリズムはAES256を採用している。
ユーザーが秘文サーバにログインすれば、暗号化と復号の処理はシームレスに行われるため、意識せずにクラウドストレージを活用できる。また秘文サーバでは、ログインアカウントごとにアクセスコントロールを行なっているため、企業やプロジェクトなど、組織ごとの機密性を確保しつつ、情報共有を行うことが可能だ。
同社では、ストレージサービスやマネジメントサービスを提供する事業者と提携し、新サービスを提供していく予定。企業内にサーバを構築して自社管理するオンプレミスを望む顧客向けの販売も同時に展開する。
北米では4月から提供されているトライアルサービスは、日本では5月31日からとなっており、「秘文 Cloud Data Protection(トライアル版)」が無償で提供され、90日間利用することができる。対応するクラウドストレージサービスは、box、Dropbox、Microsoft SkyDriveのいずれかで、Googleドライブは今後対応を予定している。申し込みは製品紹介ページにて告知する予定。
価格については個別対応としながらも、1ユーザあたり数百円前後、オンプレミスの場合は1端末あたり1万円前後を想定していると担当者は話した。販売目標については秘文全体で新規ユーザを60万ライセンス販売したいと目標を掲げている。