富士通セミコンダクター(FSL)は4月18日、同社が提供するARM Cortex-M3を搭載した32ビットマイコン「FM3ファミリ」のベーシックグループ向けにフラッシュメモリを最大1.5MB搭載した大容量製品群「MB9B520T/420T/320T/120Tシリーズ」、32ピンの少ピンパッケージ製品群「MB9B120Jシリーズ」、CAN通信可能で低消費電力化を図った製品群「MB9A420L/120Lシリーズ」など、合計38製品を追加したことを発表した。

MB9B520T/420T/320T/120Tシリーズは、同ファミリの特長の1つである豊富な周辺機能(CAN、USB2.0 Host/Function、UART/CSIO/LIN/I2C)などのシリアル通信機能や、インバータ制御も可能な多機能タイマーを搭載しつつ、内蔵フラッシュメモリ容量をファミリ最大となる1.5MBまでのバリエーションと、144ピンから192ピンのパッケージラインアップを取り揃えた製品群。大容量メモリを内蔵したことで、AV機器やOA機器の表示部における多言語対応も可能になるという。

また、MB9B120Jシリーズは、同ファミリ初となる32ピンパッケージの製品群で、ベーシックグループとしては最大の72MHz動作、インバータ制御が可能な多機能タイマーや高速・高精度な12ビットA/Dコンバータを搭載しているため、ローエンド産業機器のモーター・汎用インバーター、白物家電の冷蔵庫・洗濯機・IHヒーターなど、少ピンでインバータ制御を要求される機器、もしくは1つのモーターにつき1つのマイコンのシステム構成を必要とする機器に最適だと同社では説明している。

そしてMB9A420L/120Lシリーズは、同ファミリの「ローパワーグループ」で採用している低消費電力技術を用いて、CAN通信機能やインバータ制御が可能な多機能タイマー、10ビットD/Aコンバータを搭載し、48ピンから64ピンまでのパッケージラインアップを揃えた製品群であり、エレベータやビル管理、配電盤などのボタン発信音の制御を必要とする機器に最適だという。

なお、これらの新シリーズは5月10日より順次サンプル出荷を開始する予定で、これによりFM3ファミリは合計で570製品が提供されることとなる。また同社では今後、Cortex-M4搭載の「FM4ファミリ」およびCortex-M0+搭載の「FM0+ファミリ」も含めたマイコン製品群の増強を順次行っていく計画としている。

今回追加された3シリーズの位置づけ