Texas Instruments(TI)は、AISG(Antenna Interface Standards Group)v2.0仕様準拠の全機能集積型オン/オフ・キーイング・モデム・トランシーバ「SN65HVD62」を発表した。
同製品は基地局内のロジック(ベースバンド)信号の周波数を、基地局と各種タワーマウント機器(アンプ、リモート電子チルト・ユニット、制御リンクなど)を接続するAISG同軸ケーブルなどの長距離同軸伝送ケーブル上でのデータ伝送に適した周波数に変調/復調するもので、スタンバイ・モードと33mAの電源電流により、競合製品比で消費電力を最大50%低減し、システム消費電力の削減と熱対策の簡素化を実現することが可能。
また、スプリアス周波数成分が存在する場合でも信号の復調が可能なアクティブ・バンドパス・フィルタを含め、信号の送受信に必要なすべての部品を3mm角のパッケージに集積しており、ディスクリート型製品と比較し基板面積を低減することができる。
さらに、50Ω同軸ケーブルへの出力電力レベルを0dBm~6dBm間で調整でき、用途に応じて信号レベルの最適化が可能なことから、競合製品と比較し柔軟性を向上できるほか、競合製品比でRF帯域内での輻射が低いことから、各種用途でセルラー・データのSNR(信号-雑音比)を向上し、外付けフィルタを不要にしつつ、データ・エラーと通話中断の可能性を低減することが可能となっている。
なお、同製品は16ピンQFNパッケージにてすでに提供が開始されており、1000個受注時の単価は2ドル(参考価格)からとなっている。