ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業は4月17日、毛包のコラーゲンに着目し、毛乳頭のコラーゲン産生促進効果を有するパウダルコ樹皮抽出エキスを開発したと発表した。
毛包は、「結合織性毛根鞘」の中にコラーゲンがある構造であり、結合織性毛根鞘は毛髪の伸長をガイドする役目を果たしていることから、結合織性毛根鞘の構造がしっかりしていることが育毛において重要であると考えられています。また、毛乳頭細胞はコラーゲンを産生していることが近年の研究からわかってきたことから、研究チームでは、結合織性毛根鞘のコラーゲン構造には毛乳頭細胞のコラーゲン産生が重要であり、毛乳頭細胞のコラーゲンを増やすことが新たな育毛効果へつながると考え、結合織性毛根鞘のコラーゲンを増やすことを目的とした、毛乳頭細胞のコラーゲン産生促進を行う素材の探索を実施したという。
その結果、ブラジルのアマゾン川流域に自生する樹木でブラジルの国樹にもなっている「パウダルコ」の樹皮から抽出される「パウダルコ樹皮抽出エキス」が濃度依存的にコラーゲンの合成を増やすことができることが判明したという。
パウダルコ樹皮抽出エキスの毛乳頭細胞に対するコラーゲン合成促進効果(n=4の平均値)。実験の方法としては、ヒト由来毛乳頭細胞をマイクロプレートに播種し、パウダルコ樹皮抽出エキスを含む培地を添加し5日間の培養の後、シリウスレッドによって細胞内のプロコラーゲンを染色し、色素を抽出して540nmの吸光度を測定した。結果はパウダルコ樹皮抽出エキス無添加を100%とした相対値で示したものとなっている |
なお同社では、今回の成果を元にした頭皮用薬用化粧品(育毛剤)を、同じグループ会社であるポーラより2013年夏に発売する計画としている。