Texas Instruments(TI)は、3.5mm角と小型のHotRod QFNパッケージに複数の制御用MOSFETを集積した同期整流降圧型コンバータ「TPS54020」を発表した。

同製品は、高い電力密度を特徴とし、高電圧入力でスペースに制約のある通信機器やゲーム機器、産業用コンピューティングなどの各種アプリケーションに使用されるFPGA、SoC、DSPおよびプロセッサ製品向けに、スイッチング周波数の同期、180度の逆相スイッチング、選択可能な電流制限などの機能を提供する。同社のオンライン設計支援ツールWEBENCHと組み合わせることで、高電圧DC/DCコンバータの設計を簡素化し、設計プロセスの短縮できるという。

採用されたHotRodパッケージは、集積されたMOSFETに対する浮遊インダクタンスの影響を低減するとともに、抵抗分の低減を可能にすることから、高電流、高効率と小型サイズを実現する。放熱特性を向上させた15リードHotRodパッケージは、同種の製品に比べて半分のサイズとなる。

この他、特徴として、導通時抵抗8mΩのハイサイド(高圧側)MOSFETと同6mΩのローサイド(低圧側)MOSFETを集積し、入力電圧12V、出力電圧1V時に最大96%の電力変換効率を実現。また、電流制限のスレッシュホールド値は、6A、8Aおよび10Aを選択できることから、外付け部品のサイズを低減すると同時に、低出力電流時に効率の最適化が可能。さらに、180度の逆相スイッチング機能によって、入力電流リップルを最大50%低減する。加えて、200kHz~1.2MHzの範囲で調整可能なスイッチング周波数によって、出力のインダクタおよびコンデンサの小型化を実現し、基板実装面積をさらに低減する。

なお、価格は、1000個受注時で3.45ドル。

TIの同期整流降圧型コンバータ「TPS54020」