日本オラクルは16日、「Oracle Solaris」が稼働する「SPARC」サーバ製品群に「SPARC T5」サーバ4機種と「SPARC M5」サーバ1機種を新たに追加し、同日より提供開始したと発表した。
発表会では、オラクル・コーポレーション シニア・バイスプレジデント システムズ・セールス アジア・パシフィック&ジャパン エイドリアン・ジョーンズ氏とオラクル・コーポレーション システムズ・プロダクト・マネジメント&ストラテジ担当 シニア・バイスプレジデント デイビッド・ローラー氏、日本オラクル株式会社 執行役員 システム事業統括 飯尾光國氏が登壇した。またパートナー企業からは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、NTTデータ先端技術株式会社、新日鉄住金ソリューションズ株式会社、TIS株式会社、東芝ソリューションズ株式会社、株式会社日立システムズの担当者も合わせて登壇した。
同社の最新プロセッサを搭載した中規模環境向けの「SPARC T5」サーバは、ベンチマークで17個の世界記録を樹立し、エンタープライズ向けプラットフォームとして、オラクルのデータベースやミドルウェア、業務アプリケーションを高速に実行し、価値を最大化するとしている。
ジョーンズ氏は、「SPARCの売り上げの400億(ドル)のうち50億(ドル)を研究開発に投資している」と説明。そのSPARCベンチマーク結果の詳細は「Oracle Benchmark」で確認することができる。
デイビッド氏は「オラクルはSPARCのベンチマークを公開している。しかし、IBMやインテルはそういったものを公開していない。ここが明確な違いだ」と強調。SPARCの性能に自信を持ち、「世界最速」と論じる理由を説明し、「IBMもインテルもできないことを我々はやっている」と語った。
「SPARC T5」サーバに搭載されるプロセッサは、16個のプロセッサ・コアを搭載し、最大128スレッドを同時並列に実行。クロック周波数は3.6GHz、16コア共有L3キャッシュを8MB搭載する。「SPARC T4」プロセッサと比較して、プロセッサ・コア数を2倍、クロック周波数を1.2倍向上となっている。
大規模コンピューティング環境向けの「SPARC M5-32」は、クロック周波数3.6GHz、プロセッサ・コアを6個有する「SPARC M5」プロセッサを最大32個、6コア共有L3キャッシュを48MB搭載。プロセッサあたり最大48スレッドを同時並列に処理し、システムあたり最大1,536スレッドまで拡張可能。前世代の「SPARC M9000」サーバと比較すると、処理速度を最大10倍向上し、メインフレーム並の優れたハードウェア・ドメイン設定や信頼性や保守性といったRAS機能を提供する。
製品ラインナップは、既存の「SPARC T4」サーバに、「SPARC T5」サーバおよび「SPARC M5-32」サーバが追加される。製品群が一新され、小規模コンピューティング環境から基幹システムのプラットフォームまで広範囲を網羅する。
富士通とオラクルのSPARCの販売パートナー契約については、以前の記事でも触れたが、ジョーンズ氏は「細かい契約の部分については公開しない」とした上で、「富士通とのパートナーシップは今後も継続していく」と補足した。
製品スペックは「SPARC T5-2」サーバが、プロセッサ:3.6GHz 16コア搭載「SPARC T5」プロセッサ 2個、最大メインメモリ:512GB。価格が5,830,552円(税抜)から。
「SPARC T5-4」サーバが、プロセッサ:3.6GHz 16コア搭載「SPARC T5」プロセッサ 4個、最大メインメモリ:2TB。価格:16,048,592円(税抜)から。