NASA

NASAはここ数年のタイタンの観測結果から、タイタンの表面に存在しているメタンは地球の水のように循環しているのではなく、過去の巨大な衝突時などに惑星内部から地表へ吹き出したものが徐々に蒸発しているものという推測を発表した。過去8年以上の観測結果からこうした結論を発表している。

土星の衛星であるタイタンの表面には炭化水素の液体が存在している。現在のところ太陽系で地球のように地表に安定した液体が存在する惑星は、地球以外ではタイタンだけだと見られており、タイタンの地表に存在する炭化水素、特にメタンの液体は、地球における水と同じように循環しているのではないかと考えられてきた。

しかし、仮にメタンが循環していると仮定した場合、なぜ循環しているのか、どうやって循環しているのかを説明するのが困難だった。赤道付近からメタンが湧き出ているのではないかと推測されたこともあったが、今回NASAの観測の結果、タイタンのメタンは循環しているのではなく、過去の巨大衝突時に惑星内部から地表に噴きでたもので、徐々に蒸発しているものだと最終的に結論づけた。数千年後にはタイタンの地表からはメタンは消えてなくなるだろうと説明している。メタンはエタンやより重い分子へ形を変えていくと説明がある。