Texas Instruments(TI)は、これまでStellaris「LM4F」の名称で呼ばれていたCortex-Mベースのマイコンのラインアップの拡充に向けたARMマイコンプラットフォーム「Tiva」を発表した。

新型プラットフォームの最初の製品となる「Tiva C」シリーズのARM Cortex-M4マイコン「TM4C123x」は、65nmフラッシュプロセスで製造されるCortex-Mベースマイコン製品となる予定。まもなく量産出荷の予定で、家庭向け、建物および産業向けの各種オートメーションに最適な機能を備えていると同社では説明する。またTivaマイコン製品のソフトウェアライブラリ群はシリーズや世代が変わっても共通利用することができるよう設計されているため、既存のコネクティビティアプリケーションから、今後発表される次世代Tivaマイコン製品へのアップグレードが容易で、適切なデバイス間の移行における選択肢の幅が広がるという。

さらにTiva Cシリーズの特徴としては、2個の1MSPS、12ビットA/Dコンバータ(ADC)および3個のコンパレータなどの、ハイパフォーマンスアナログの統合により、ミックスドシグナルアプリケーションをサポートしている点が挙げられるほか、最大256KBのフラッシュおよび32KBのSRAMのデバイスオプションやタイマー、汎用IO(GPIO)を充実させているほか、USB(host、deviceおよびOn-The-Go)、UART、I2C、SSI/SPIおよびCANをはじめとした、オンチップ通信インタフェースを有している。加えて、書き込み回数の耐久性が高いEEPROMを内蔵し、外付けメモリ不要でシステムコストを削減できるほか、ローパワースタンバイ時の消費電流が1.6μAと低いことから、長時間電池動作に最適となっている。この他、 このほか、Tiva Cシリーズでは、設計、開発を簡単にする開発ツール群、ソフトウェア、トレーニングおよびサポートが提供される。Non-OSあるいはOSに依存しないデバイスドライバ、APIなどを統合した「TivaWare」によって、初心者でも開発を簡単に着手可能なほか、リアルタイムOS(RTOS)「TI-RTOS」が使用できるため、他のマイコンへ移行する際のコード開発への投資負担を抑えることができる。RTOSは最新バージョンのCode Composer Studio v.5 IDE(統合開発環境)との互換性も提供している。

なお、「TM4C123x」の価格は1万個受注時で2.15ドル。また、「Tiva ARM C」シリーズローンチパッド「EK-TM4C123x」は12.99ドル。今後、「Tiva C」シリーズのデバイスとして、Ethernet PHYまでを統合した製品が供給される予定。