早稲田大学(早大)理工学術院総合研究所と寄田研究室は、万物に質量を与えたとされる物質であり、近年の探索から発見がほぼ確実視されている「ヒッグス粒子」の探索に大きな貢献をした「アトラス(ATLAS)実験施設」のレゴブロックを作成し、西早稲田キャンパス63号館1階情報ギャラリーにて常設展示を始めたことを発表した。

ATLASは、欧州合同原子核研究機構(CERN)の地下約100mに設置されている、高さ22m、全長44m、重量7000tの大型粒子検出器で、世界37カ国・169の大学および研究機関から約2800人の物理学者が参加してヒッグス粒子やその他の新しい素粒子の発見を目指す実験を推進しており、同大の寄田浩平 准教授も、高エネルギー加速器研究機構(KEK)など国内16機関約110名の研究者からなるATLAS日本グループの一員として参加している。

今回展示が開始されたアトラス実験施設のレゴブロックは実物の1/50のスケール(1m×0.5m×0.5m)で、約9500ピースで構成されている。その製作キット一式はATLAS実験に参加する研究機関のみが入手可能で、日本では全部で16セット存在しているという。

ちなみに製作期間は15名の学生がシフトを組んで、10日間(約30時間)かかったとのことで、寄田 准教授は、「これを機に素粒子実験およびアトラス実験に興味をもっていただくとともに、早稲田大学でもアトラスでの研究をおこなっていることを知る方が少しでも増えていけばうれしく思います」とコメントしている。

展示されている1/50スケールのアトラス実験施設とアトラス実験施設のイメージ図

細部にわたるまでATLAS検出器が再現されており、レゴのフィギュア(人形)のスケールと近いため、実物のサイズを推し量ることが可能