日本IBMは2013年4月12日、フラッシュメモリベースの1Uストレージシステム「IBM FlashSystem」の販売を開始した。記憶媒体はSLCまたはeMLC、容量は5.2TB~24.7TBまでの組み合わせで4機種(IBM FlashSystem 820/720/810/710)がラインアップされ、最小構成価格8,40万9,600円(税別)から。

IBM FlashSystem 820(24.7TB/eMLC/3,041万2,000円~)

FlashSystemは不揮発性のフラッシュメモリを採用しているため、消費電力量を抑えつつ、1Uサイズという省スペース性を実現した。また、高速なデータ処理が可能であるため、ハードディスクの遅延も解消される。IBMによれば、従来のディスクの約4,000個分、キャッシュを搭載した大型ストレージ約500~600個分の処理能力を発揮し、オンライントランザクション処理にかかる時間は90%、データのバッチ処理にかかる時間は85%短縮可能。さらに、80%のエネルギー消費量を削減できるという。

一方で、OSからはFlashSysytemをディスクドライブとして認識されるため、SAN(Storage Area Network)へ容易に追加することができる。アプリケーションやミドルウェアなどへの影響は小さく、導入時の作業負荷をかけずにシステム性能を向上することができる。ストレージの可用性を高めるRAIDについては、フラッシュメモリのチップ単位で組まれ、IBMが特許を取得している「Variable Stripe RAID」技術によって、障害が発生したチップは自動的にRAIDから外され、ほかのチップがそれを補完する。

「IBM Storwize V7000」などのディスクストレージと組み合わせて、ミッションクリティカル性の高い業務のみにFlashSystemを活用するなど、効率的にストレージ環境を構築することも可能となる。

ラインナップは、eMLCを利用した使用可能容量24.7TBの「IBM FlashSystem 820」が、最小構成価格3,041万2,000円、SLCを利用した使用可能容量12.4TBの「IBM FlashSystem 720」が、最小構成価格3,041万2,000円、eMLCを利用した使用可能容量10.3TBの「IBM FlashSystem 810」が、最小構成価格840万9,600円、SLCを利用した使用可能容量5.2TBの「IBM FlashSystem 710」が、最小構成価格840万9,600円。