Maxim Integratedは、自動車およびその他のモバイルDAB/FM製品向けにRF to Bitsアーキテクチャを介してソフトウェア無線(SDR)を実現するデジタルオーディオ放送(DAB)レシーバ「MAX2173」を発表した。

同製品は、無線チューナ、A/Dコンバータ(ADC)、およびデジタルフィルタを内蔵し、デジタルI2S出力を使用してDSPと直接インタフェースする。RF to Bits無線では、既製品のDSPを使用してベースバンド処理を実装することが可能。同アーキテクチャにより、開発期間の短縮およびソフトウェアに基づくシームレスなアップグレードが容易になる。高レベルの集積化によって、従来のRFチューナで使用される多数の外付け部品が不要となり、コスト、BOM、およびスペースが削減される。

また、ADCおよびデジタルフィルタの内蔵によって出力データレートを低減し、バックエンドDSPの処理負荷を軽減することが可能。無線のフロントエンドとDSPとの明確な分離によって、システム設計が簡素化されるほか、DSPの処理容量が解放され、他の機能や将来のアップグレードに対応することができる。

さらに、RFフロントエンドは、VHF-III(168~240MHz)、およびLバンド(1452~1492MHz)の周波数帯域における、DAB、地上波デジタルマルチメディア放送(T-DMB)アプリケーション、およびFM(76~108MHz)をサポートする。

この他、内蔵のデジタル制御の水晶発振器(DCXO)により、電圧制御水晶発振器(VCXO)が不要となり、コスト削減と精度の向上を実現している他、内蔵の低ドロップアウトレギュレータ(LDO)により外付けレギュレータが不要となっている。

なお、パッケージは6mm角の40ピンTQFN。動作温度範囲は-40℃~+85℃。

自動車などでソフトウェア無線(SDR)を実現するデジタルオーディオ放送(DAB)レシーバ「MAX2173」