富士ゼロックスは4月12日、脳神経科学の分野で解明が進んでいる視覚情報処理の仕組みをソフトウェア上で実現した文字認識技術を開発したと発表した。

同社によると、人間の脳内細胞の抑制的なはたらきに着目し、そのはたらきとよく一致する新たな構造をソフトウェアに取り入れることで、手書き文字も含め、約3万文字の多言語の文字認識を実現したという。

同社によれば、この構造を取り入れた技術をソフトウェアとして実用化したのは、世界初だという。

今回、開発された技術は、ソフトウェア上で人間と同じように文字を学習することが可能。たとえば、人間は幼いころから読み方を何度も教わっているうちに、文字を読めるようになり、これと同じように、異なる形状の文字をソフトウェアに登録し、学習させることにより、活字も手書き文字も区別なく読めるようになる。また、さまざまな国の文字を学習させることで、多言語を認識することもできる。

これまでの技術では、約3000 文字しか認識できなかったものが、約3万文字を認識することが可能になり、認識文字数が約10倍に向上したという。

人間の視覚情報処理の仕組みを利用した文字認識技術

同社では、今後、この技術を同社のサービスに盛り込み、ビジネスコミュニケーション支援していくという。