ペイロールは、従来よりも迅速に信頼性の高い給与計算業務サービスを提供するため、ベル・データ協力のもと、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)の次世代ブレード・サーバー「IBM Flex System」と仮想化環境管理ソフトウェア「IBM SmarterCloud Entry for IBM Flex System」を活用してITインフラを刷新、3月から全面稼働を開始した。
ペイロールは、給与計算から労働・社会保険関連の人事業務まで広範にカバーする、給与計算業務のフルスコープ型アウトソーシング事業を展開しており、240社68万人の顧客へサービスを提供している。
従来、200台の個別分散システムを運用していたため、年末調整の時期など、負荷が集中する際、システムの性能に影響を与える可能性を抱えていた。そこで、業務処理量の変動にも柔軟に対応できるシステムを実現するとともに、サービス提供までのスピードアップと、インフラ利用状況の可視化による投資の適正化を図ることができる、新たなインフラを求めていた。
今回、構築したインフラは、「IBM PureSystems」製品群に属するFlex Systemが支え、11台の「IBM Flex System x240コンピュート・ノード」、2台の「IBM Storwize V7000」で、これらは管理ソフトウェア「IBM Flex System Manager」で一元管理されている。
仮想化ソフトウェア「VMware」で仮想化統合し、プロセッサーやメモリーなどハードウェア資源の利用率向上を図るとともに、全システムを冗長化して可用性を高め、万が一障害が発生しても、Flex System Managerが管理者にメールで通知し、システム停止を未然に防ぐため、安定した信頼性の高いサービスを提供できる。
また、V7000は、使用頻度の高いデータ領域を高速な記録媒体へ自動的に移動できるストレージであるため、個別にストレージをチューニングすることなく、将来的に利用者が増加しても、安定したサービスを提供可能。さらに、Flex System Managerは、管理者のスキルを補完しながら、サーバー、ストレージ、ネットワークまでを統合管理できるため、属人的ノウハウに依存しないシステム運用が可能。
さらに、クラウド環境の迅速な構築を実現するIBM SmarterCloud Entry for IBM Flex Systemを活用することで、システム構築時のインフラ提供時間を、従来の1ヶ月から大幅に短縮み、サービスごとに利用するハードウェア資源の量とコストを可視化でき、適切なサービス料金を迅速に提示できる。
ペイロールは今後、2拠点で同等構成のシステムを稼働させ、業務負荷に応じて処理を柔軟に割り振る仕組みの導入も検討。これにより、さらに多くの顧客が本業へ注力できるよう、信頼性が高く、競争力のある給与業務サービスを提供していく。