MathWorksは4月10日、半導体理工学研究センター(STARC)がMATLAB、 SimulinkおよびEmbedded CoderをSTARCの新アナログ・デジタル協調設計フロー「新STARCAD-AMS」構築のための推奨ツールとして認定したことを発表した。これによりMathWorksの提供するモデルベースデザイン製品が認定済みのシステムレベル・プラットフォームとしてSTARCのメンバー企業の標準半導体設計および検証フローに組み入れることができるようになる。

新STARCAD-AMSは、アナログ/ミクスドシグナルASICの設計において、システムレベル設計から回路レベル設計に容易に移行できる設計ツール間の連携方法の確立および設計フローの標準化を目指した設計手法で、MATLABおよびSimulinkの活用により、高速なシミュレーション速度だけでなく、豊富なブロックおよび関数のライブラリの利点を生かしたシステムレベルのビヘイビアモデリングおよびシミュレーションが実行できるようになる。また、Embedded Coderを用いて、ビヘイビアモデルからモデルのCコードと業界標準のEDAツール内部でのインタフェースとしてカスタマイズされたSystem Verilogインタフェースを自動生成することが可能となるという。実際にSTARCが準備したモチーフ回路による実証実験の結果、TATの50%短縮が可能であることが確認されたほか、従来手法でのボトルネックとなっていた問題の改善が果たせることが確認されたという。

なお、新STARCAD-AMS設計フローにおいてモデルベースデザインは以下の3つの主要な活動を支援しているという。

  • システムレベルとアナログ回路設計のエンジニアの共同作業を可能にするシステムレベル設計のモデリング、ビヘイビアモデルのシミュレーション
  • システムレベルのアナログ/ミクスドシグナル大規模集積回路(LSI)設計環境によるシステム設計パラメータの最適化
  • Embedded Coderを用いた業界標準のEDAツールとの連携のための自動コード生成