ソニーは4月8日、プロフェッショナルの要求に応える忠実な映像信号を再現する56型(3840×2160画素)と30型(4096×2160画素)の4K有機ELモニタを開発したと発表した。
これらの開発品は4月7日から米国ラスベガスで開催されている放送機器展示会「NAB」にて技術展示されている。今後、2014年中に30型4K有機ELモニタの発売を目指し、開発を進めていくという。
ソニーでは、現行商品であるHD解像度の業務用有機ELモニタにおいて、「正確な色」、「正確な画像」、「高い信頼性」を極める「TRIMASTER」技術に、独自の有機ELパネルを加えた「TRIMASTER EL」として、マスターモニタからピクチャーモニタまで全7機種をラインアップしている。高コントラストでダイナミックレンジが広く、色再現性に優れており、映像制作業界から高い支持を受け、累計出荷台数は2万台を超えたという。
しかし、業務用モニタとしての性能をほぼすべて満たす一方で、市場からの唯一の改善要望に視野角の向上があった。そこで今回、視野角を向上させ、従来のモデルと比較して視野角による色の変化を半分以下に抑えたパネルを新たに開発し、業務用フラットディスプレイにおける業界最高クラスの視野角を実現。17型、25型の計6モデルの業務用有機ELモニタに搭載してラインアップを刷新したことも同時に発表した。
視野角の向上により、編集室などで複数名が並んで1台のモニタを見て制作、確認を行う際にも、カラーシフト(斜め方向からの視聴で映像が青味かかって見える現象)がほぼ発生せず、効率的な映像制作を実現する。
ソニーでは、より正確で高精細な映像品質が求められるプロフェッショナル機器において、技術革新と商品化を継続する。業務用モニタも、商品の質の向上とラインアップ拡充で、シネマから放送局、プロダクションまで幅広い市場での映像制作をサポートしていく方針。
価格は25型有機ELマスターモニタ「BVM-E250A」が254万1000円。5月より発売する。