東京国立博物館と凸版印刷は4月5日、VR(バーチャルリアリティ)作品『三蔵法師の十一面観音』を製作。東京国立博物館・東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で、4月6日より初公開すると発表した。
『三蔵法師の十一面観音』は、東京国立博物館が所蔵する重要文化財「十一面観音菩薩立像」の高品位な3次元形状計測と高精細画像の撮影を実施し、そのデジタルアーカイブデータを活用し、「十一面観音菩薩立像」の顔立ちや表情など造形の細部まで見ることができる高精細なVR作品となっている。
同VR作品では、三蔵法師玄奘によってインドから、もたらされた経典や仏像を基にして中国・唐で造られた「十一面観音菩薩立像」が、なぜ日本にあるのかという謎解きを行いながら、三蔵法師玄奘の17 年に渡るインドへの旅が中国と日本の仏像様式に与えた影響について紹介される。
そして、インドからシルクロードを経て中国に至り、日本にも伝わった仏像はどんな変容をとげたのか、「十一面観音菩薩立像」を中心に、重要文化財「勢至菩薩立像」や重要文化財「如来三尊仏龕」など東京国立博物館の収蔵品と、奈良・法隆寺蔵の国宝「九面観音像」、奈良・薬師寺蔵の国宝「薬師三尊像」など、数多くの仏像も取り上げながら体系的に解説。
「十一面観音菩薩立像」から始まった唐におけるインド様式の流行が日本を代表する古寺に伝わる仏像にも影響を与えたことを明らかにする。
VR作品『三蔵法師の十一面観音』の上演期間は4月6日から6月30日まで。