Texas Instruments(TI)は、低コストマイコン「MSP430」ファミリの製品ポートフォリオを拡張し「G2xx4/xx5」を追加すると発表した。
「MSP430G2xx4/xx5」は、既存の「MSP430」製品とコード互換性を保ちながら機能のアップグレードを可能にする。フラッシュメモリ容量を16KBから最大56KB、SRAM容量を最大4KBに拡張することにより、既存のソリューションからの移行、またはワイヤレスMBUSおよびNFCをはじめとした各種のコネクティビティプロトコルのサポートを可能にする。
「MSP430G2xx5」は内蔵された大容量のメモリと、静電容量式タッチI/O機能を組み合わせることで、より洗練された静電容量式タッチ機能をアプリケーションに実装できる。また、「MSP430」ファミリとして高周波の水晶用入力端子を初めて搭載。これにより高信頼性、高ビットレートのシリアル通信を追加できる。
さらにほか、MSP430ファミリとして最も小型なパッケージDSBGAもラインアップされており、実装面積の限られたモバイル機器への搭載も可能となっているほか、DIP/TSSOP/QFNをはじめとした多様なパッケージオプションも揃えている。
加えて、1μAのスタンバイ時電流および1μs未満の高速ウェークアップタイムながら低消費電力動作を実現したほか、10ビットA/Dコンバータ(ADC)、UART、コンパレータおよびシリアル通信をはじめとした、高性能ペリフェラル群を搭載、CPUのタスク負荷を軽減、電力効率を向上させている。この他、統合開発環境「Code Composer Studio IDE」、「IAR Embedded Workbench」およびオープンソースのMSPGCC GNUをはじめとした、無償でダウンロードできるソフトウェアデバッガおよびコンパイラをサポートしている。
なお、「MSP430G2xx4/xx5」はサンプル出荷を受け付けており、価格は1万個受注時で、それぞれ0.96/1.12ドルから。「MSP430 ローンチパッドエクスパンションボード」は、2013年5月から、15ドルで供給予定。ターゲットボード「MSP-TS430DA38」およびフラッシュエミュレーションツール「MSP-FET430U38」は、それぞれ75/149ドルで、TIのeStoreから注文できる。